漆といえば、器などの塗料として使われていることがほとんどですが、実は接着剤としても効果があるのです。 今回はそんな漆の塗料以外の用途「接着剤」にご紹介します。
漆器に使われている接着剤としての漆
漆といえば漆器、漆器といえば塗り物というイメージが強いと思いますが漆器にも接着の効果として使われている場面があります。 それは蒔絵や螺鈿などの加飾です。 蒔絵では金粉や銀粉を接着する際に漆が使われ、螺鈿も貝を接着するのに使われます。
金継ぎに使用される漆
漆には強力な接着剤の役割があるので、お椀やグラスの割れや欠けを修繕する方法の金継ぎにも使用され、頑丈に修繕することが可能です。 金継ぎをすることで、器自体の価値が上がるという例もあるほどです。
金継ぎは、現在非常に人気があり、全国各地でワークショップや教室が開催されていたり、趣味でする方もいます。
古来から接着材として使われていた漆
漆は遡ること石器時代から接着剤として使用されており、狩猟で使用する矢じりなどを接着する際に使われていたようです。 最初は塗料としてではなく、接着をすることが漆との最初の出会いだったようです。 そして縄文時代には、櫛や器などに塗料として使用され、漆工品が出来上がっていきました。
接着力を最初に発見したのは蜂!?
漆の接着力を最初に見つけたのは人ではなく蜂だと言われています。 漆の固まる接着力を蜂の巣作りに利用していたようです。
蜂の巣をどのように作っているのか興味を持った人が、巣を作っている鉢を追いかけてみると漆の木から樹液を採取しているところを見つけました。 蜂が巣に戻り、巣と木の接合部分に漆の樹液を付け、くっつけていたのです。
これを見た人が狩猟用の矢じりに樹液を塗りはじめ、接着力の高さに驚いたようです。
まとめ
今回の記事で漆は塗料だけでなく接着剤としても利用されていることがお分かりになったと思います。 漆は時代の発展には欠かせない天然の素材です。
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