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漆器のお手入れは簡単!漆器の正しい保管方法

美しい光沢を放ち、手に取ると木のぬくもりにホッと心が和む漆器は、日本独自の伝統工芸品です。海外では古くから漆器は「japan」と呼ばれ、日本の重要な輸出品でした。


漆器には、天然の漆を塗ったものと、化学塗料(ウレタン、カシューなど)を塗ったものがあります。「家庭用品品質表示法」により、表面に天然の漆を塗装したものを「漆器」と呼び、化学塗料を塗装したものを「合成漆器」と呼びます。


漆器はお祝い事や贈答品としてよく用いられていることから、扱い方やお手入れが難しいもの…というイメージがあります。

しかし、急激な温度変化や過度の乾燥、高温、直射日光(紫外線)が苦手であるなど、いくつかの注意点に気を付ければ、他の器とそれほど違いはありません。


漆器の洗い方

漆器は、基本的には柔らかいスポンジと台所用中性洗剤で洗うことができます。

蒔絵などを施した高価な漆器は、ガーゼのような柔らかな布でそっと洗い、柔らかな乾いた布巾で拭きます。

クレンザーやタワシは厳禁です。漆の塗膜を傷つけるので使用しないでください。

ガラスの器や陶器、先の尖ったナイフやフォークと一緒に洗うと漆器に傷がつくことがあるので、別洗いします。

乾燥したご飯がカチカチにこびりついている場合は、水かお湯に10分程つけ置いてふやかします。そうすれば、スポンジで軽くこすり洗いするだけで汚れが取れます。


洗った後は自然乾燥をさせるのではなく、水気を切って乾いた布巾で拭きます。 濡れたまま長時間放置するのは漆器にとって好ましくありません。

水道水に含まれるカルキや水分でカビが生えることがあるのです。

また、漆器の表面に傷があった場合に、そこから水が入って塗りがはげてしまいます。 重箱の角など、水が残りやすい場所は入念に拭くようにします。


保管の仕方

ふだん使いの漆器は、直射日光を避け、他の器と一緒に食器棚にしまって大丈夫です。

陶器の高台(茶碗や鉢などの底にある輪状の台)には釉薬(うわぐすり)がかかっていない場合があるため、片付けや保管する際に重ねると漆器を傷つけることがあります。漆器は漆器同士で重ねるようにします。


漆器にとって高温と乾燥は大敵なので、暖房や冷房が直接当たる場所は避けてください。 お正月用の重箱や酒器など、たまにしか使用しないものは柔らかい布か薄紙で包み、できれば箱に入れて収納します。


においが気になるとき

漆器は通常、箱に入れて販売されているため、漆のにおいがこもっている場合があります。 このにおいは使っている間になくなっていくものです。

気になる場合は、米のとぎ汁に少量のお酢を加え、柔らかい布につけて拭き、その後、ぬるま湯で洗うと早くにおいが取れます。


つやがなくなり、くすんできたとき

1.少量の練り歯磨きとサラダ油を1:1の割合で混ぜ合わせます。

2.古いTシャツや肌着など、柔らかな綿布に1をつけて漆器をそっと磨きます。


漆器は使えば使うほどつやが出て、味わい深くなっていくものです。しまい込んだまま使用しなければ、カビや過度の乾燥の原因になります。長期間しまう予定の場合は、小さなコップに水を入れ、一緒に棚に置いて乾燥を防ぎます。


漆器は木製のため軽量で割れにくく、お子様やお年を召した方にも使い勝手が良い器です。毎日使っては洗うことにより適度の水分を含ませることができるため、日常的に使う方が漆器のためにも良いのです。


カビが生えたとき

濡れたまま長時間放置したり、湿気の多い場所で保管したりなどしていた場合、カビが生えることがあります。


カビをみつけたら、まず水ぶきをしましょう。取れないときは、塗り直しが必要になる場合があります。


変色したとき

火からおろしたばかりのグツグツした汁物などを入れると、白っぽく変色することがあります。漆が変色している状態を「焼ける」といいます。一度変色してしまうと元に戻らないため、塗り直しが必要になります。

使用する前に漆器をぬるま湯に通せば、急激な温度変化を避けられ、変色を防ぐことができます。


漆器そのものは熱の伝導率が低いため、スープやシチューなどの料理を入れても、熱くて器が手に持てない…ということはありません。また、保温性が高いため、料理が冷めにくいという利点もあります。


傷や欠けができたとき

漆器は割れにくく、傷がつきにくい器ですが、それでも尖ったものにあたったり、強い衝撃を受けたりしたときに傷や欠けが生じることがあります。その場合は、なるべく早く塗り直しに出しましょう。

放置したまま使用していると、傷や欠けが広がって修理に時間も費用もかかってしまいます。


その他の注意 直火、電子レンジ、オーブンでの使用は厳禁です。 食器洗浄機や食器乾燥機の使用も避けましょう。急激な温度変化や過度の乾燥のため、漆器がゆがんだり、ひびが入ったりします。


冷蔵庫での保存は、一時的なものであれば問題はありません。しかし、冷蔵庫のなかは乾燥しますので、長期間の保存は避けましょう。


漆器を長持ちさせるには普段から使うのが一番!

ライフスタイルが目まぐるしく変わる中、漆器の使い方も時代とともに変わっていくのが自然かもしれません。 お手持ちの漆器を棚の奥で眠らせたままにしないように、ウェブで情報を集めるなどし、現代らしく粋に使用していただければと思います。

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